「剣鬼喇嘛仏 忍法帖短篇全集12」 山田風太郎 (ちくま文庫)

山田風太郎忍法帖短篇集も12冊目。これにて完結。
編集、解題、総解説:日下三蔵

去年7月頃から読み始めて、はや8ヶ月。これで80いくつかの忍法帖短篇を全部読んじゃったよー。達成感で一杯であります。わー。
折角だし、忍法帖短篇全作品の中からベストを選ぼうなんてことも考えてるんだけど、
各篇のタイトルと内容が頭の中で一致してないので、それはまたそのうち。

「忍法女郎屋戦法」官営の傾城街を作ろうという話。伊賀者どもが駄目人間すぎて失笑。
 「伊賀の散歩者」忍法帖の世界に乱歩パロディをぶっこんだ話。乱歩スキーは必読?
 「伊賀の聴恋器」しょーもない道具ネタかと思いきや、二転三転する展開がかなり面白い。
 「羅妖の信康」陰茎を鼻にしてしまう話。なんつーか、アレだ。舞城王太郎のドリルホールなんとかに通じてるに違いない。
 「剣鬼喇嘛仏」男女一体となった剣の達人の話。表題作なんだから、これを表紙の絵にして欲しかったなあ。無理か。
 「春夢兵」優秀な男女に子作りをさせようという選民政策の話。こ、このオチはー(苦笑。
 「甲賀南蛮寺領」信長によってキリシタン領にさせられようとした里を甲賀者がなんとか守ろうとする話。作中ベスト。宣教師と甲賀者の攻防の果てに待ち受けるラストが絶妙。
 「筒なし呆兵衛」忍法”筒飛脚”キタ━(゜∀゜)━。
 「開化の忍者」忍法帖の最後の最後を飾る、明治で忍者な一篇。お疲れ様でした。