「魔女が笑う夜」 カーター・ディクスン (ハヤカワ文庫HM)

”後家”と名乗る者からの悪意ある誹謗中傷の手紙により、ストークドルイドの村は恐怖と混乱に陥れられていた。
旧友の招きにより村を訪れたヘンリー・メリヴェールは事件の解明に乗り出すことに…。
村に悪意をふりまく”後家”の正体は誰なのか?

あははー、密室トリックの綱渡り的な危うさがなんとも微笑ましい、というかバカだー。
ミステリとしてはわりと軽めの作品で、真相に感心したり驚いたりという部分はあまり無し。
事件云々よりも、登場してくる人たちの恋愛模様がどうなっちゃうかが気になるーという感じで、
特に恋愛沙汰に鈍い司祭さんと彼を暖かい目で見守るマリオンの描き方が素晴らしい。
読んでてハッピーになっちゃったよう。
何冊か読んできて、カーの書くラブロマンスが結構好きになってきたのかも。
それと、H・Mがパムに対してみせた優しさにちょっと感動。
H・Mってクソオヤジなだけじゃなかったんだなあ…と見直してたのに、
ラスト手前では村人皆巻きこんでのらんちき騒ぎの原因になったりと、トラブルメイカーなところは相変わらず。
上機嫌で***になりきるH・Mが最高&爆笑ですよ。もー、なんて傍迷惑でアホなオヤジなんだろう。でもそこが愉快で、大好き。