「信玄忍法帖」 山田風太郎 (河出文庫)

病に倒れた武田信玄は、自らの死後三年は喪を秘すように家臣たちに後を託し、逝く。
 信玄、死せりや? 武田を探らんとする徳川配下の伊賀者どもから、武田方は信玄の死と影武者の命を守ることが出来るのか。

しばらく短篇全集ばかりを読んでいて、長編の忍法帖を読むのは半年ぶりくらい。長編は「甲賀」「伊賀」に続く、読了3冊目。
んー、面白いっ。
伊賀者たちがあの手この手で武田陣に潜入し信玄(の影武者)に迫っていく様が凄まじい。
武田方はそれを何とか阻止しようとするのだけど、どうにもこうにも押され気味。
伊賀者の恐るべき姦計や忍法により武田方は次々と突き崩されてしまう。
山本”道鬼斎”勘介に真田源五郎昌幸、真田忍者・猿飛に霧隠、武田の面子もそれなりのはずなのに、
どうしても伊賀者の仕掛けの後手に回ってしまい、いいようにやられてしまうのは、守る側の難しさと厳しさなんだろうなあ。
いやいや、決して真田がいまいち頼りにならないってことじゃないはずだーw。
やすやすと屋敷への侵入を許したり、影武者をまんまと殺されたりはしても、最後にはなんとか伊賀者倒してますからっ!

剣聖・上泉伊勢の守や短篇でメインをはったこともある金山奉行が登場してきたりするのも読み所の1つ。ほんのちょい役だったものの八重垣たんがちょびっと萌えキャラでした。
それから、真田がもっと活躍するような話を読みたいとも思ったざます。