「ヴァンパイアの塔 カー短編全集6」 ディクスン・カー (創元推理文庫)

カーが原案・脚本を書いたラジオドラマの台本9本+短編1本+松田道弘「新カー問答」が収録された作品集。

ラジオドラマのシナリオってことで、舞台説明などは必要最低限、あとは全部台詞だけなので、とにかくすいすい読める。
カーの本にしてはあまりにも読みやすくて、ちょっとびっくり。訳も新しいのかな?(文庫の初版が98年)
短い中にもミステリのエッセンスがいろいろつまっていて面白い。これ、実際に音声ドラマで聞いてみたいなー。
「暗黒の一瞬」はフェル博士も出てくるし、道具立てとかラストの締め方がカーらしい。
あとは、「悪魔の原稿」の真相がバカバカしくて好き。
もう1つ、台本ではない普通の短編「刑事の休日」はジュブナイル風味の良作でした。