「不可能犯罪捜査課 カー短編全集1」 ディクスン・カー (創元推理文庫)

不可解な犯罪を専門に捜査するというD3課・マーチ大佐を探偵役にした6作品ほか、計10作品を収録したミステリ短編集。

同じカー短編集でも良作揃いの「妖魔の森の家」と比べると質が明らかに落ちる。
特にマーチ大佐ものがミステリ的にぱっとしないネタばかりでちょっと期待外れ。残念。
キャラクタ性でもフェル博士やHMほどの面白味がなくて、読んでて退屈。
ということで、どちらかというとマーチ大佐のよりもノンシリーズの作品の方がわたし好み。
「もう一人の絞刑吏」のオイオイオイと言いたくなる後半の展開、古典的なトリックを使った「目に見えぬ凶器」の書き方、
「めくら頭巾」の真相、といったあたりが楽しめました。