「しずるさんと底無し密室たち」 上遠野浩平 （富士見ミステリー文庫）

病床の美少女しずるさんと彼女を見舞うよーちゃんが、奇怪な殺人事件の”ごまかし”を解き明かす百合萌えミステリ連作短編集。第二弾。

イラストが絶品なのは前作と変わらず、よーちゃんがかわいすぎてどうしようもありませぬ。ひ、日傘ー。

　・「しずるさんと吸血植物」 しずるさんの語りや真相へ到るためのヒントの出し方が絶妙な一品。
解き明かすまでの流れがエレガントで素晴らしい。最初にこれ読まされて、もしかして上遠野氏ミステリ書き慣れてきて開眼しちゃった！？と一瞬思ってしまいましたよー。
ミステリネタは単純ながらも、今作中ベスト。

　・「しずるさんと七倍の呪い」 一家猟奇殺人の様相に背筋ぞくぞく。カードゲームを使った話の転がし方も好み。
真相はまあこんなもんかという感じで。

　・「しずるさんと影法師」 いまふたつ。

　・「しずるさんと凍結鳥人」 トンデモ系。こういう奇想は倉知淳が書いてもおかしかない感じ。