「復活の地 I」 小川一水 (ハヤカワ文庫)

地震が都を直撃。行政を司っていた機関および人員は壊滅的な打撃を受ける。
拡大する被害、増え続ける死者。かろうじて生きのびた人々は被災者を救うためにどれだけのことができるのか。

地震がおきるまでの助走部分は皆無。
展開がいきなりすぎるなあと最初は面食らったものの、そのぶん大災害にみまわれた後の崩壊した大都市の姿はよく描けてると思います。
悲惨な事態を容赦無く淡々と描写していくあたりはSF版クライシスノベルといった趣。
読んでて「死都日本」石黒耀を思い出しました。
個々のキャラクタ描写については若干物足りない印象。そのへんは群像劇って作品の性格上、仕方ないかなあ。
文章量のわりに結構なスピードですいすい読めました。