「タクティカル・ジャッジメント 2 きまぐれなサスペクト!」 師走トオル (富士見ミステリー文庫)

盗みの濡れ衣をきせられた女の子の弁護を引き受けることになった山鹿。
今回も巧みな法廷戦術で無罪を勝ち取ろうとするが、それがきっかけで殺人事件に関ることになり、その容疑者の弁護をする羽目に……。

ミステリとしては二時間サスペンスのネタとしてもどうかという事件なのに、それを法廷ミステリにするだけでこんなに読めるものになるものなんだなあと感心。
裁判シーンは前作同様面白いし、話の導入部分や幕間の部分も読んでて楽しい。
雪奈さんを潜入捜査にーという展開が微笑ましいっすね。メイド姿に動揺する山鹿が笑える。
370ページと富士ミスにしては長めなお話もテンポの良さのおかげでまったく気にならず。
欲をいうなら、山鹿以外の三人の活躍をもっと読みたいなあというところなんだけど、
そのへんは山鹿の一人称で語られる小説だし仕方ないと諦めるしかないか。
裁判&事件ありの短編も書かせてあげてくださいよー>編集部の人。

さて、とりあえず今月の新刊で本編五巻まで出ちゃってるし、頑張って読んで刊行ペースに追いつきたいざんす。