「盲目の理髪師」 ディクスン・カー (創元推理文庫)

政治家のスキャンダルの種になりそうなフィルムが盗まれ、瀕死のていであらわれた謎の女性が消失し、
高価な宝石を預かった船長が何者かに襲撃され宝石が奪われた!? 船上での大騒動に、フェル博士が指摘する真相やいかに。

全編ドタバタのバカ話でした。
ホィッスラー船長がひどい目にあいまくるところや、カート君の軽挙妄動など
物語前半からかなり馬鹿な展開になっていて、へらへら笑いながら読んでいたら、後半になるにつれ馬鹿騒ぎ度が加速。
ジュール伯父さんの大活躍?にまでいくと、もう笑っていいやら呆れていいやらわかりません。
本書唯一の良心といってもいいくらいのモーガン君(主人公)が頭を抱えてる姿には同情いたします。
殺人事件もあるし、一応伏線をはって本格ミステリ的な解決もしているのに、そのへんはどうでもいいという印象しか残らない。お話は面白かったですよ。