「冷たい校舎の時は止まる(中)」 辻村深月 (講談社ノベルス)

校舎の中に閉じ込められた8人。チャイムが鳴り響き、1人、また1人と消えていく…。
「おもい、だし、た?」 もう会うことができない…級友の名前を。

青春学園小説のかたちをとりつつも話の展開はホラー・テイスト。へー、怖い描写も上手いもんだなあ。感心、感心。
謎の中心に位置している文化祭のことは未だそれほど明かされておらず、上巻に引き続き進行はゆったりめ。
そのぶんキャラクタそれぞれの悩みや過去が丁寧に綴られていて、読み応えありました。
他人との距離感を掴めない、つきあい方そのものがどうしていいかわからない、
それが自然に出来る人ならば何も気にすることがないであろうことが、そうでない人には重すぎる枷となる辛さ。
胸に痛いなあと思うとともに、そんなキャラにはどうしても感情移入してしまうリッパーさんなのであります。んにゃー。
という感じで、ここまでの展開には結構惚れこんでおります。下巻できれいにまとまってくれればいいなあ。