「ブルースター・シンフォニー(下)」 岩佐まもる (角川スニーカー文庫)

うーん、折角のオーケストラや音楽といった題材も、結果的には神の力に至る道だとか対決ものの道具になっちゃうのか。
なんだか普通のSFファンタジーに落ち着いてしまった感じ。
別につまらないわけではないんだけど、上巻での音楽論議がとても面白かっただけに、もうちょっとそのへんにこだわって欲しかった。
女王との対決なんてどうでもいいんで、コンサートの描写だとかロストシンフォニーというあたりに力点おいてくれれば良かったのに。惜しい。

主人公のクキの背景だとか、三角関係?だとか、カルラ(娘)とクキの関係あたりはわりあい丁寧に描かれてるし、キャラ小説としてはそれなりに楽しめました。
読後感は爽やか。お話が2冊でまとまってるのも良いところ。