「私が見たと蝿は言う」 エリザベス・フェラーズ (ハヤカワ文庫)

安アパートの1室の床下から一丁のリボルバーが発見される。
そして、その部屋の前の住人が射殺されていたのがわかって…

えーっと、あらすじや解説で書いてあるように”ユーモラスな本格”という印象は受けませんでした。
もっとコメディタッチなものかと思ってたんだけど、そうでもなかった。
アパートの住人や管理人の間で対立があったり秘密があったりという
アメリカのテレビドラマみたいな舞台設定。キャラクタもそんな感じです。雰囲気は悪くない。

ミステリとしてはフーダニット型。素人探偵たちがそれぞれ好き勝手な推理をヒロインに披露し、
しかもその犯人が全員てんでばらばらってなあたりが楽しい。事件の構図もなかなか面白い。
その可能性はちょっと思いつかなかったなあ、とラストに感心しました。