「白い僧院の殺人」 カーター・ディクスン (創元推理文庫)

雪密室を扱った古典本格ということで、今読むとさすがにメインのトリックは直球すぎて予想しやすいものの、
捻りをきかせたプロットや事件全体における雪密室の使われ方なんかはえらく上手くて感心させられました。
状況を二転三転させ小さなサプライズを繰り返しながら興味をひっぱってくれるので飽きずに読める。
捨てネタになっている推理も含めて、雪密室テーマの教科書的な作品なんでしょうな。一読の価値ありだと思います。面白かったなりよ。

キャラクタもなかなか良いですなあ。モーリスの英国貴族然とした鼻持ちならなさが特にイイ(・∀・)。

あと、初期作品なためかHMとマスターズの関係がすごく普通でした。
これが「騎士の盃」(HM最後の事件)ではああなっちゃうんだなあ。一体いつ頃からいがみあい始めたのやら。