「風に躍る宿命の調べ」 深見真 (富士見ミステリー文庫)

「ブロークン・フィスト」シリーズ3作目。

オリジナリティでは他の追随を許さない格闘技系(体育会系)本格ミステリのシリーズ3作目なんですが、
ぎゃああああ、今回のミステリ部分は、これはいくらなんでも や ば す ぎ る。

「戦う少女と残酷な少年」のあの密室トリックがかわいく見えてくるほどの凄まじい力技が炸裂しており、
たいていのトリックはどんなにバカなものでも笑って許せる(と自分では思っている)わたくしでさえも、
これはさすがにミステリとしてOKを出してよいものかどうか首をかしげざるをえません。
いやね、確かに事件の構図はミステリ的ではあるわけで。でも、しかし。うーん…。
あー、超ネタバレしたい。こんなネタがミステリとして許されるのかどうか皆に問いたい。
絶対駄目なんだけど、ありえないんだけど、ネタとしては…読む価値がある……かも?(小声)

さて、シリーズ3作目ともなるとさすがにキャラクタに慣れてきたし(というか愛着すらわいてきたw)、
同性愛志向もはいはいあんたも好きねと軽く流しておくとして、
ミステリとしてあまりにもぶっとんでいるところさえ許容すれば、わりといけるんじゃなかろうか。
いやね、犯人が判明してからのバトルなんかが結構面白いのでありますよ。
萌えキャラっぽいのも出そうとしてるし(かおりたん)、3作目にして主人公の秋楽さんが結構かわいく思えてきたような…、
ハッ、だ、駄目だ。壊拳が面白いだなんて、きっとわたしゃ何かに毒されてるんだ。そうに違いない。そうだと言ってくれ。

そんなこんなで、最後に明確な”敵”を出して続編に含みをもたせた終わり方をしているのだけど、果たして続きが出るのかは不明。
富士ミスだしね。もし、続編が出るならば、いやいやながらも読んじゃうと思いますがの。