「マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)」 今野緒雪 (コバルト文庫)

まあ、挿絵が描かれているタイミングが素晴らし過ぎるとお思いになりませんこと、お姉さま方。
思わず笑んでしまう場面や心動く見せ場がことごとくイラストになっているのに、わたくし感嘆いたしました。

それにしても、ロサ・ギガンティア、なんて羨ましい役割なのでしょう……と、申しますか、此度の作品の祐巳さんは特別かわいらしいような気がいたします。
わたくしは以前から蔦子さんがお気に入りなのですけれど、次第に祐巳さんに心惹かれてきたかもしれません。
いえ、もちろん、蔦子さんも、今回も出番はそう多くないものの、台詞の数々にはわたくし満足いたしましてよ。
蔦子さんに特定の姉も妹もいない理由…。
ふふっ、さすが蔦子さんですわね。よ、写真部のエース。
どうせならリリアン女学園アルバム(という名の画集)を蔦子さん名義でお出しなさったらどうなのでしょう。
きっと、隠し撮りされた祐巳さんの無防備な姿や表情が…うふふふ、ふふふ、…ハアハア……はっ、いやだ、はしたない姿をお見せしてしまいました。

とにかく、わたくしこの本をとても楽しめましてよ、ということが皆様に伝わっていれば幸いです。
ではまた、後編の感想文でお会いしましょう。ごきげんよう