「タクティカルジャッジメント」 師走トオル (富士見ミステリー文庫)

第2回富士見ヤングミステリー大賞<準入選>受賞作品。

何てこったい。こんな面白い作品をスルーしていたなんて、わたしの眼は節穴かー。

法廷ミステリであります。殺人事件の被疑者として逮捕されてしまった幼なじみを敏腕若手弁護士が救うという内容。
法廷ものの面白さを追求するために陪審員制度やら予備審問制度を設定としてとりいれていたり、
主人公の法廷戦術がかなり無茶しすぎだったりと、あまりまっとうな法廷ミステリではないのだけど、
一転二転三転する検察と弁護士の白熱したやりとりはとても面白い。
去年初めて読んだ某法廷ミステリよりもはるかによかっただすよ。
キャラクタ小説としてもじゅうぶん及第点。私立探偵が何気に萌えキャラだとか*1
主人公も女の子2人もついでに堀内検事のいやらしさもなかなかいい。
そのへんのキャラクタ性が法廷部分やミステリ部分とうまく組み合わさっていて、最初から最後までずーっと楽しく読めた。

わたしはゲームの「逆転裁判」を遊んだことがないので、それと比べてどうこうってのは言えないのだけど、
それに通じる面白さなのではないかと想像しております。そのへん逆裁ファンの感想も聞いてみたい気はする。

*1:BL的色眼鏡で見たら弁護士と探偵のCPもありかも(死