「青の化石 道士リジィオ1」 冴木忍 (富士見ファンタジア文庫)

美形であるがゆえに余計な苦労をすることが多く、父親が残した莫大な借金の返済に頭を抱える
不幸な道士(魔法使いみたいなもの)リジィオが、困っている人を助けたりトラブルに巻き込まれたりする短編集。

わたしゃもうこのシリーズが大好きでして。
リジィオやスティンやシザリオンといったキャラクタはすごく素敵な奴らだし、
地味で堅実で、でも心にしんみりとした余韻を残してくれるお話も本当に素晴らしくて。
10代の頃に読んだファンタジー作品の中で一番好きといいても過言ではないくらいの作品なのであります。
3作目が出た頃に再読して以来だから、およそ6年ぶりくらいの再読なんだけど、ああ…リジィオはやはり良いなあ。
「黄昏の神話」におけるテーマが、わたし自身が歳をとって健康面の不安が現実化してきているぶん、より切実なものに感じられてしまうようなったとか、新たな発見もあった。
「青の化石」や「遺産狂想曲」はネタがわかっていても面白い。
ほんわかコメディタッチなところと、ぐっとくるシリアスな部分のバランスがとてもいいんだ。大好き。