「捕虜収容所の死」 マイケル・ギルバート (創元推理文庫)

脱出もののスリリングな面白さと、不可解な謎が解き明かされる本格ミステリな面白さが両立していて、なるほどこりゃ良いわーと感心いたす。
途中までちょっと駄目な奴らとして描かれていた兵士が一躍脚光を浴びるあたりの展開がわたしのツボにはいる。
このへんもうちょっと筆をさいてくれれば萌えポイントになったのになあ。いやあ、惜しいおしい。
トリックの着眼点も面白いし、事件と並立して存在するもう1つの謎が見事な伏線回収で論理的に明かされるのも良い。
海外ものが苦手な人も、こういうちょっと毛色の変わったミステリは結構楽しめるんじゃなかろうか。読んで損はない作品だと思う。