「月に酔 麿の酩酊事件簿」 高田崇史 (講談社ノベルス)

リッパーさんは超がつくくらい下戸な人で、何かのカクテルをグラス一杯飲むだけでもうふらふらへろへろになるくらい
お酒によわかったりします。
そんなわけで飲み会でも基本的にアルコール類は摂取せずに素面でお喋りしているのが常で、
たまーに誘惑にかられたりどうしても断れない状況とかで飲むこともありますが、
ぶっちゃけ酔うとあっという間に寝てしまう体質なので、飲んでよかったとか楽しいと思ったことなど一度たりともありません。
そんなあいにくとお酒に縁のない星のもとに生まれてしまったリッパーさんなのですが、
実は今作の主人公の文麿くんのように記憶と自覚がないだけで、酔いがすぎるとキャラクタが豹変し
女の子たちが心に抱えている悩みや事件の謎をたちまち解決していたりしていなかったりするかもしれませんので、
今度飲み会でご一緒される方はリッパーさんを酔わせてみてはいかがでしょうか。

ということで、QEDの歴史薀蓄地獄や千波くんのパズル地獄とも一線を画しつつも
花嫁探し地獄といえなくもない麿シリーズです。
ライトなノリでさらっと読めるミステリ短編集なので、仕事やら勉強やら読んでて気疲れする本の合間の息抜きなんかにちょうどいい感じ。
面白いです。ラブコメとしても結構いいかも。ラストあたりはちょっと身悶えしてました。
うう、○○ちゃんかわいいなあ。なんか霧舎学園よりもラブコメとして成立してそうな気がします(笑)