「はなれわざ」 クリスチアナ・ブランド (ハヤカワ文庫)

解説での”容疑者たらい回し”という表現に受けつつ、
主要登場人物全員をとりあえず1回は犯人候補として仕立てるという類の推理構築がとてもわたし好みで、
中盤から終盤にかけてのぐるんぐるんひっくり返りまくる展開が大変面白かったです。真相は見抜けました。
クセのある登場人物たちやメロドラマじみた錯綜した人間関係がどうにも底意地が悪くて、探偵役のコックリル警部もひっくるめて
誰一人信用できそうにない騙しあいばかし合いな雰囲気がぷんぷん匂ってるのが実にいい感じでした。
さすが古典ミステリだという印象。