2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

松野秋鳴 「えむえむっ!」 (MF文庫J)

女の子に突然殴られたことによってマゾヒズムに目覚めてしまった砂戸太郎。性癖改善のため第二ボランティア部の門を叩いたのだが…。 変態ちっくで曲者揃いなキャラ配置は目を引くんだけど、内容の方はいまひとつ。 主人公の特殊な性癖を披露するやり口が《女…

富士ミス四大青春小説

FMB

先日の「遠く6マイルの彼女」感想において富士ミス四大青春小説なる惹句をくっつけてみたらdeltazuluさんが反応してくれたので、改めてその四作品を紹介してみようと思った次第。 ニライカナイをさがして (富士見ミステリー文庫)作者: 葉山透,山都エンヂ出版…

道尾秀介 「シャドウ」 (東京創元社)

母を亡くした少年とその父。彼らと家族ぐるみで付き合っていた水城家。2つの家族に落ちる影とは…。 ミステリ界・注目の若手作家を初読み。ひとまず昨年の各種ベストで評価の高かった本作品を手にとってみた。 我茂家と水城家、2つの家族の間に漂う不穏な気…

真慈真雄 「おしかけメイド隊 2」 (二次元ドリーム文庫)

メイド養成学校の付属寮の管理人になった墨川啓介。姉の十六夜、眼鏡っ娘の葉子、勝気系なさくら、ちびっこメイドの檸檬に次々と誘惑されて!? 真慈真雄+しなのゆら画伯によるメイド隊再び。まさかまさかの続編登場。 メインの4人のうち十六夜が前作から引…

ディクスン・カー 「連続殺人事件」 (創元推理文庫)

鍵のかかった部屋の窓から墜死した老人。自殺したのか、それとも殺人か。現場に残されたスーツケースに仕掛けられていたものは…!? 史学教授のアランが寝台列車で鉢合わせした相手は新聞紙上でつまらない争いをしていた論敵──しかも会ってびっくり、女性だっ…

阿智太郎 「陰からマモル! 9 伊賀娘たちが来た!」(MF文庫J)

伊賀の里からやって来たくノ一ふたり、イナゴと鮎花。彼女らが巻き起こす騒動にマモルも巻き込まれることに…。 おきらく忍者ラブコメもこれにて9冊目。もうすぐ大台かー。 主要キャラでは山芽とホタルの出番が多め。変身術、巨大*****、アレルギー誘発、惚れ…

川人忠明 「ダークエルフの口づけ II」(富士見ファンタジア文庫)

伯爵妃クララ一行の別荘滞在に同行することになったベラたち。そこはアマデオの生まれ育った故郷のすぐ側でもあった…。 本当は、だれがだれを騙しているのかもわからない──混沌の国ファンドリアを舞台に、支配階級あるいは闇に生きる者たちが策謀をめぐらし…

ヤマグチノボル 「遠く6マイルの彼女」 (富士見ミステリー文庫)

6年前に事故死した兄へのコンプレックスを抱え、国道をバイクで飛ばすことを繰り返していた高校生の魚住研は、兄が死ぬ前に付き合っていた女性・京子と再会し…。 地方都市を舞台にした”古きよき青春恋愛小説”といった趣の一品。 主人公だけじゃなくヒロイン…

橘真児 「いもうと祭り!」 (美少女文庫)

毒舌家の妹にあしらわれる日々を過ごしていた健太。父親の再婚によりお隣さんの幼なじみ2人が義理の妹になってしまい…。お兄ちゃん大好きな妹×3。いもうと祭り開幕!? ツンデレに天然ボケにおしゃまなロリっ娘。よくある3人ハーレムものではあるのだけど、…

桜庭一樹 「ブルースカイ」 (ハヤカワ文庫JA)

1627年のドイツ。2022年のシンガポール。2007年の鹿児島。 3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。 魔女狩りの時代を描いた第一部は独立した作品として読みたかったなあと思わせる味わい深い逸品。 第二部は近未来世界における男女関係が興味深…

うえお久光 「悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング」 (電撃文庫)

Itから溢れ出す力によって”発情”状態に追い込まれた堂島コウ。女の子を目にするたび内に湧き上がる欲望に翻弄され…。一方、イハナらは魔王ベルゼバブからIt─知恵の実の秘密を伝えられていた。 事件らしい事件は特に無く、事態の新たな局面とそれぞれの決意を…

森野一角 「ごくあね お姉ちゃんは四代目」 (美少女文庫)

母方の実家は極道だった!? 離れて暮らしていた姉と久しぶりに再会した虎太郎。なぜか組の四代目頭としてまつり上げられる羽目に…。 ヤクザガールな姉と風紀委員な幼なじみとのWヒロイン・ラブエロコメディ。 着物を翻しながら男共をなぎ倒し、啖呵を切るの…

支倉凍砂 「狼と香辛料 IV」 (電撃文庫)

異教の神々の話を集めているという修道院を探しにやって来たロレンスとホロ。滞在している村と近隣の街との特殊な利害関係にまつわる騒動に巻き込まれ…。 村の権益を守ろうと奮闘する教会の娘。異教の神の存在と唯一の神への信仰との妥結点。麦農家から疑い…

とみなが貴和 「EDGE」 (X文庫ホワイトハート)

東京を震撼させる夕暮れ時の連続爆破事件──黄昏の爆弾魔(ラグナロク・ボマー)。三年前の悲劇を機に一線を退いていた若き天才プロファイラー・大滝練摩は警察の要請を受け《黄昏の爆弾魔》事件を手掛けることになり…。 雰囲気はかなり本格派なプロファイリ…

佐藤ケイ 「私立!三十三間堂学院 5」 (電撃文庫)

憧れの先輩を追いかけ三十三間堂学院に入学した六道明日香。ちょっとした誤解から生徒会と揉めてしまい…。 カラーページのキャラ紹介欄に芦原真奈が載ってにゃい。海外行ってて出番すら無い。あうう、巻を重ねるごとに扱いが悪くなってゆくような…。 気を取…

新井輝 「ROOM NO.1301 しょーとすとりーず・すりー」 (富士見ミステリー文庫)

短編集と銘打ちながらも、いつもの富士見形式とは違い、本編と密接にリンクする「ROOM」の第3短編集。 個人の主観によるフィルタリングと言葉による情報伝達が大きな錯誤を生んでしまうというディスコミュニケーションを描いた「不埒な男」。 ツバメの微妙な…

北山猛邦 「少年検閲官」 (東京創元社)

焚書の時代をへて書物そのものが失われた世界。”ミステリ”に憧れる英国人の少年クリスは旅先で奇怪で残忍な事件に巻き込まれ…。そして、少年検閲官エノと出会う。 これまでの作品にもまして幻想的な香りただよう終末世界。細かいツッコミ所は多々あるものの…